活動情報

出前講座

 徳島県技術士会では、平成22年11月18日の「土木の日」に阿南工業高等専門学校(建設システム工学科)への出前講座を始動しました。技術士の広報活動、土木建設産業の紹介、学生への適切な助言などを目的として歩み出した出前講座は、関係者各位の熱意と協力により継続的に開催することができました。概ね、阿南高専の教官・学生からは好評価を頂いておりますし、本出前講座の拡充・継続に関する熱望も受けております。
 “記憶に残る出前講座”を目標に、毎回その姿を変えながら取り組んだ歩みを以下に紹介します。

歩み出した出前講座(4年間の報告)

(記:冨士 達雄)

1.はじまり

 阿南工業高等専門学校への「出前講座」は、天野大徳島県技術士会副会長の発案と熱い思いで始まりました。社会人、特に技術士からの助言を学生に聞かせたいという阿南高専の思いと、技術士の知名度を上げたいという徳島県技術士会の思いが見事に一致し、香川県技術士会のプラスワンを模範として、また“とにかく、やってみよう!”という気概を持って、平成22年11月18日の「土木の日」に第1回出前講座はスタートしました。
 開催に先立ち、そのリハーサルというわけではないのですが、平成22年11月9日に香川高専で行われた、プラスワン主催の出前講座に天野副会長と二人で参加しました。グループ討議では学生2人を受け持ち、日頃の悩みや将来の進路相談を和やかな雰囲気の中で議論しました。そのやり取りの中では、学生時代のありし日が思い出され、私自身が40年前にタイムスリップしたような感覚を覚えるとともに、新たな発見と大きな感銘を受けました。
 出前講座は、学生のみならず支援スタッフにとっても貴重な体験で、各々の学びの場になることをはじめて知りました。この学びの場を体験することで、支援していただける徳島県技術士会の会員もきっと満足してもらえるであろうことを確信し、出前講座本番への弾みがつきました。
 徳島県技術士会の全面的な支援と阿南高専の理解・協働で歩み出した出前講座を、以下に時系列で紹介します。

2.出前講座の歩み

 出前講座は、①計画案の立案・協議→②実施→③評価・反省→④改善案の立案・実施という流れで、毎回そのスタイルを少しずつ変えながら行っています。

3.出前講座のこれから

 徳島県技術士会では、阿南高専建設システム工学科の学生を対象として、前頁までに紹介した内容で「顔の見える出前講座」を開催してきました。これまでの出前講座に対しては、概ね好評でこれからの出前講座の方向性は確立しつつあります。また、毎回、講座修了後に高専教官と支援技術士で反省会を行い、次回講座に向けての課題抽出も行っています。その中でも、
?支援スタッフの高齢化、職種・性別の偏りならびに固定化傾向
?対象学科・学年の拡大への要望
?講座内容の充実と工夫
といった課題は、出前講座を継続させるために解決すべき必須の要件で、早急な対応が求められています。

(課題?への対応)
 平成25年度より設立された徳島県技術士会青年部会および女性部会に、出前講座への協力を依頼し概ね了解をいただいております。また、女性部会では、女性だから理解できること、女性でなければ理解できないことなど、忌憚のない意見交換のできる、“(仮称)女子学生悩みの相談室”の開催を検討しております。

(課題?への対応)
 土木・建設技術へ正しい認識と関心を高めることで、専門科目として建設システムを選択した学生の勉学意欲の向上や個人の自信、また進路選択の一助としても寄与することから、建設システム2年生への出前講座を検討しております。
 建設システム以外の学科に対しては、専門とする支援技術士の不足で開催に至っておりませんが、高専側の要望の高まりに応じて適切に対応していきたいと考えております。

(課題?への対応)
 講座内容については、下表に示す講座イメージ(素案)の提案をいただいており、現在この方向で調整しております。

 “改善なくして拡充・継続無し”毎回その姿を少しずつ変えながら、身の丈に合ったそして学生の記憶に残る出前講座を、今後も継続していきたいと考えます。
 最後になりますが、徳島県技術士会の支援技術士の皆様には度重なるご協力をいただき、感謝するとともに心より御礼申し上げます。

来年度の講座イメージ(素案)
対象学年 建設システム2年生 建設システム3年生 建設システム4年生
講座イメージ ・土木、建設技術の紹介
・各種資格の紹介
・技術士の仕事紹介
・アイスブレイクを学ぶ
・技術士の進行による意見交換会
→学生4名+技術士2名
※)グループ交代制のWS
・技術士に必要なことなど
・学生の進行による意見交換会(学生が事前にテーマ設定)
→学生6名+技術士2名
※)グループ固定制のWS
技術士の関わり ・行政、コンサル、ゼネコンより、最低1めいずつの計3名体制で、それぞれの分野の仕事を紹介する。(一般的な仕事紹介) ・技術士の体験談を紹介
・アイスブレイク体験
・事前収集した質疑等をベースとした意見交換会の進行を行う
・技術者に必要な事について貴重講義を行う
・テーマに応じた質疑応答や助言を行う
技術士人員体制 最低3名 グループ数×2名+2名 グループ数×2名+2名
講座の時間 45分?60分 120分 120分
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