自由・交流・技術向上・技術者支援・社会貢献 徳島県技術士会

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巨大台風の来襲に思う。

 写真は2018年8月23日の台風20号の来襲時に美波町日和佐の大浜海岸沿いに建つ徳島県立農林水産総合技術支援センター水産研究課の3Fの窓越しに景勝立島(たつしま)を撮したものです(小写真は平時)。この台風は,徳島県太平洋岸を北上して阿南市に上陸し,23日上陸時の気圧が970hPa,最大風速が75mの強い風と波浪が特徴の台風でした。昭和59年に研究課に奉職して以来,立島の推定15mもある頂きから滝のように流れ落ちる海水を見たのは初めてでした。ここ数年古老の漁師さんすら経験したことのないほどの巨大な台風が来襲することが多くなりました。
 温暖化に伴い海水温が上昇し台風が巨大化することが知られていますが,巨大台風は堤防,灯台や波除けブロックの破損など,港湾施設に大きな被害をもたらすだけでなく,被害総額には計上されないが水産生物の営みにも多大な影響をもたらします。身近な例では本県特産のアワビの住み家になる岩場を崩し,餌となる海藻を根こそぎ引き剥がしてしまいます(写真右は2020年9月7日,台風10号通過のテングサ等が打ち上げられた同海岸)。本来沿岸で育つ魚介類の稚仔も雨と大波で沖合に押し出されることで大型魚に捕食され,生残率が著しく低下します。大波により,岩盤上の付着生物が一掃されることで新しい海藻などの着底基質が形成されたり,大雨により陸域から河川を経てチッソ・リンなどの栄養塩を補給するというメリットもありますが,総じてマイナス面も重いようです。
 このような現状に私達はどのような対策を講じればよいのでしょうか。具体的な対策として波浪や雨水の影響を考慮した港や漁場の整備などソフト面を含めた総合的な計画の見直しが必要になっています。一方で長期的な視点からも脱炭素など温暖化防止対策は待ったなしの状況に来ています。
 海洋環境やさかなの営みの変化から,ひしひしと温暖化による圧迫を感じるこの頃です。

(水産部門 漁業及び増養殖)