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私の合格体験記2

氏名天野 大(あまの ひろし) 合格年月日2001年2月7日
部門建設 選択科目建設環境(自然環境及び生活環境の保全及び創出)
試験内容

Ⅰ-1(3例概記1例詳述) 800字×5枚

  ①徳島県文化の森総合公園の景観設計
  ②潜在自然植生のポット苗による道路切土法面緑化工法の設計
  ③主要地方道徳島空港線の景観設計 → ③を詳述

Ⅰ-2(A):資源のリサイクル技術の現状と課題  800字×3枚

  豊島問題を導入に使用

Ⅰ-2(B):エコロード計画の策定  800字×3枚

  徳島マリンピア沖ノ洲,奈良国道橿原バイパス,御坊火力発電所における
  潜在自然植生の問題・課題から対策私案を記述

Ⅱ:循環型社会の構築に向けた社会資本整備のあり方  800字×4枚

 

私は,徳島県庁に勤めています。

それゆえ,特に地方公務員で挑戦する方のお役に立てれば幸いです。

 Q&A形式で,勉強法を記します。

 

1 どれだけ勉強すればよいのか?テクニックは?

・論文を書けるようになるまで
 → ぬるま湯に漬かっているあなたが,勉強好きになるまで!
 → 高じて,博士号まで取ってしまった方をふたり知っています
 → 「てにをは」から,句読点処理まで
 → これは,

技術論文が書けるようになる訓練です
        参考文献:大野 晋 著「日本語練習帳」(岩波新書)
                 木下是雄 著「理科系の作文技術」(中公新書)

・いつも持ち歩いている「県民手帳」に,勉強した時間を記していった
 → どれだけやったという達成感(自己満足です)がある

・何回論文を手で書いたかも,「手帳」に星取り表を作り,記していった 
 → ひとつの論文も原稿用紙に20回も書けば覚えます
   なぜそれだけ書くか?は,①タイムトライアル②正確を期すため③忘れた時の
   用心としてアンカーワードを覚えておくため です。
   一文字でも浮かんでこないと,フリーズの状態で時間が過ぎていきます
   この試験は,時間との競争です
 → 考えて書く時間はありません
 → 指定枚数のうち,ある枚数を埋めていないと,あなたの論文は見てくれません

・午後の論文を書く順序(Ⅱ,Ⅰ-2A,Ⅰ-2B)を決めていた
 時計の図で,予定時刻を書いていた(手帳に)
 → 何時何分には,Ⅰ-2の何を書いている

 

2 何を勉強すればよいのか?

・過去問の研究
 → キーワードの整理
 → 問題が要求しているとおりの答を書かないとダメです
 → 道路であれば,Ⅰ-2で必ず「舗装」が出ます
    建設環境では,「リサイクル」です  必ず出る問題を見つけましょう!
 → あなたのために作られた問題からは逃げない!
    逃げると,口頭試問で追求されるとか・・・
 → 建設環境のⅠ-1では,’98は3例概記1例詳述,’99は2例詳述,’00は3例概記
   1例詳述,’01は2例詳述でした
   1タイプの問題だけと思っていると,対応できませんよ
   問題を見てから,構想を練るのでは大変です 前もって策を練る

自分が取りたい専門科目の虎の巻(テキスト)を見つける
 → 私の場合は,「景観用語事典」

・必須は,「建設白書」「環境白書」  新聞は,「徳島新聞」「朝日」「日経」
   雑誌は,「月刊建設」「日経コンストラクション」「土木学会誌」

・勉強に必要な本は,図書館で借りた
 → それで,どうしても必要ならば,購入した
   近くの図書館にない場合でも,「申込書」を書けば他の図書館から借りられる 

   私の場合は,家の近くにある鳴門市立図書館を利用した
   たとえば,県立図書館(徳島市)で借りた本も,文化の森まで返しに行く間がない
   時は,近くの図書館へ返せばOKです
 → たくさん本があります 何冊も読んでも身に付かなければダメ
   厳選してその本を何度も読んでください

・本庁にいるとたくさんの新鮮な情報が集まる  出先では少ない
 → 一方,本庁では,自分の時間が取りにくい

 

3 どのように勉強すればよいのか?テクニックは?

・所定の原稿用紙に,書いて書いて書きまくること
 → 自分の手で何回も書く
 → 20回書けば,覚えます  自分の手に覚えさせる
 → 試験時は,

人間コピー機(人間プリンター)に徹する

・近くの図書館で勉強すること
 → 目的は,タイムトライアルの実施(クーラーが効いており,夏場には頭が冴える)
   冷房の効き過ぎもあるので,ウィンドブレーカーを用意していた
 → 周りに勉強している人が居るので,適度の緊張感が得られる
   小中学生の話し声が気になることがあるので,イヤーウィスパーを持っていた

・シャープペンは,Dr.グリップを使用した
 → 4本用意した(HB,B,2B,3B) 自分の筆圧に応じて疲れてきた時には換えた
   すると,また書く元気が湧いてくる

テープに自分で吹き込み,何回も聴くこと
 → 自分の声を聴くのが一番覚える
 → 嫁さんに吹き込んでもらう人もいます
 → 記憶力の減退はいかんともしがたい その意味で,若い時に取る資格です
   通勤時にJRの中で,県庁まで歩く間で聴いた

・新規パソコンの購入
 → まず論文の作成と校正に役立つ
 → インターネットを利用(佐口光明さん,宮入賢一郎さん)

・論文を第3者に見てもらう → できれば,技術士に
 → コンサルタント研究会(広島)を利用する
 → 近くの技術士に見てもらう
 → 嫁さんか,子どもに見てもらう
   私の場合,Ⅰ-2の論文については,子どもの前でそらんじて,
   暗記できているかを確認した

・受験する友人と切磋琢磨すること
 → 情報の交換,刺激

 

4 筆記試験

・服装は,半パン,Tシャツ+ウィンドブレーカー

・食べ物は,ペットボトルの水,サンドウィッチ

座布団を持って行った 
 → 大学の講義室の板の椅子での7時間の長丁場なので,座布団持参が楽です

・大阪で受験した 受験会場の最寄りの駅に朝着いた時に,帰りの切符を買った
 → 受験生の人の波に圧倒されます
 → 幸い,今年から高松市で受験できます

 

5 その他

・受験申込書に記載したあなたの経歴からⅠ-2の問題が作成される
 → 申請前に,何人かの技術士に見てもらいましょう!

・(財)徳島県土木技術協会・徳島県技術士会主催「土木技術講習会(技術士二次試験
 コース)」講習会2001年9月8~9日,11月17~18日のテキスト(日野 裕善 ひのやすよし
 著)が良くできている
 → 読み込んでください

・地方公務員の場合,自分の業務経験が本当に技術士論文になるのか?という不安が
 あるはずです
 よほどの業務運に恵まれないと経験論文は書けない?
 → あなたの個性がキラリと光るアイデアの実践とその過程の苦労話を書けばよい

・論文の構成は?
 → ①起承転結型 ②問題文にあわせた,3段型

・2000年度までは,Ⅰ-2で足切りされていた
 → これが合格点に達しないと,Ⅰ-1もⅡも見てもらえなかった

・2001年度は,択一で足切りされたようです
 → 15問中10問以上は正解してください
 → この五肢の問題文の変形が,今後とも出る

・私の場合,「技術者とは何か」を深く考えるようになって,勉強が進んだ
 → 最初は,受験のノウハウだけでこの資格を取ろうとしていた

・合格して,一番喜んでくれたのは,やはり,そばで見守ってくれた妻です

 

6 口頭試問について

・筆記の発表から口頭試問まで
 → 技術士法の抜粋をテープに吹き込み,何回も聴いた
 → 新聞記事のスクラップ(特に,あなたの専門科目の話題,徳島の話題)
 → 地元紙のスクラップ記事が役立つ(第十堰)
 → Q&Aの作成と嫁さん相手の練習
 → 簡単な質問:たとえば「建設環境」で受ける方へ 「建設7公害とは?」

・公務員の場合,質問と答の方法が少し違うようなので,注意してください
 → あなたのQ&Aを持ってきていただければ,チェックします

・謙虚であること

・技術士は,みなさん,紳士・淑女です
 → なってみて,実感しています
 → あなたもそうあってください
 → あなたが紳士,淑女であることを確認される面接だと考えてください

・受験時刻が朝の早い時刻の人は,筆記の出来は悪いが,キラリと光るものがあるので
 呼んでくれたと思ってください
 → 面接であなたの実力を発揮してください
 → 論文の不出来な点,補足する箇所など十分検討しておいてください

・技術士の義務・責務を訊かれなくとも,合格した人はたくさんいます

・口頭試問の場で,直後に,試験官があなたの合否を決めるそうです

・私の口頭試問の紹介(2名の試験官)
 → 論文の話は無し 
   経歴 受験の動機 県庁内の技術者の交流(道屋,川屋,港屋)

   吉野川(第十堰,早明浦ダム) 利根川河口堰  環境とは? 一級建築士
   技術士の義務

 

7 書籍評価(評価欄は☆◎○△×の5段階評価です)

書名① 「技術士試験に合格する本 1年計画試験突破法」
著者
(出版社、出版年月)
福田 遵 (日本能率協会、 2000.2.5) 評価

ひとこと

基本的な試験の考え方を解説している
「付録」の技術士法をテープに吹き込んで覚えた

書名② 「技術士試験 一発合格のきめて」
著者
(出版社、出版年月)
グループHICE (オーエス出版社、 2000.7.15)

評価

ひとこと

経験論文は試験会場で機械的に答案用紙に写せるくらいに
100%暗記してください
しかし,単なる暗記では,あるところで忘れてつまずいてしま
ったら,その後が出てきません

書名③ 「どなたも技術士になれる 受験予定者に読まれたい研修の姿」
著者
(出版社、出版年月)
久保田 信一 (技報堂出版、 1999.6.1) 評価

ひとこと

じっくり読んだ 欄外の格言が,救いです
これ一冊を熟読できれば,これだけでいいように思います
試験官の考え方へ,これから自分を近づける
→ 改訂版も出ています

書名④ 「新 技術者になるということ ~これからの社会と技術者~」
著者
(出版社、出版年月)
飯野 弘之 (雄松堂出版、 2000.3.20) 評価

ひとこと

技術者の資質とは?── 技術者の倫理など検討材料になる

書名⑤ 「公共事業を考える 市民がつくるこの国の「かたち」と「未来」」
著者
(出版社、出版年月)
諏訪 雄三 (新評論、 2001.1.31) 評価

ひとこと

公共事業をやる側の視点の転換・反省・熟慮を促す
自分の考えを練るのにもってこいの内容 
第十堰・長良川河口堰ほか

書名⑥ 「エコロード ー生き物にやさしい道づくりー」
著者
(出版社、出版年月)
亀山 章 (ソフトサイエンス社、 1997.3.1) 評価

ひとこと

「建設環境」(自然環境の保全・創造)で受験するひとに必携

書名⑦ 「絵とき環境保全対策と技術」
著者
(出版社、出版年月)
吉野 昇  (オーム社、 1999.11.20) 評価

ひとこと

各節の話題から,専門知識論文を作った
付録の環境部門受験ノウハウは,必読

 

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