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待望の吉野川サンライズ大橋の完成が間もなく

 吉野川の最河口に建設中の『吉野川サンライズ大橋』、その完成が間もなくとなりました。その橋長は1,696.5mで吉野川に架かる橋としては最長のものです。
 ところで、この橋梁が実は環境にとても配慮された橋であることはご存じでしょうか?例えば橋梁自体は吊り橋では無く桁橋となっていますが、この形式を事業者が選択した背景として、吉野川河口に存在する広大な干潟に飛来する渡り鳥に配慮したためです。吊り橋にしてしまうと大きな主塔と複数のケーブルが存在することになり、それが鳥類の飛翔を阻害することに繋がり、もしかすると吉野川河口の干潟にやってくる渡り鳥の数が減ることになって吉野川の貴重性に影響があるのかもしれません。しかし、今でも続けられているモニタリングでは、渡り鳥の減少が全く無く、その影響も僅かであったことが分かります。
 その他にも、この橋梁は橋脚基数を減らすことで流況阻害や地形変化を最小限に、浚渫範囲を最小限に、工事中は水質汚濁、騒音・振動といった対策、浚渫した土砂の利活用、モニタリングを事前から現在も実施して環境監視と影響評価などを実施、それらの情報を報告してアドバイスをいただく有識者で構成された検討会の発足と開催を実施しています。この環境への配慮の本気度は、まさに吉野川の貴重性や重要性に対して真摯に向き合った事業だと考えられます。
 さて、この話を技術士の何に当てはまるのか考えてみます。①環境に配慮した橋梁を設計すること、②環境への影響の監視をどうすれば良いのか、③環境に配慮した工事の内容、④環境調査(騒音・振動、水質、地形鳥類、底生生物、魚類など)、⑤その情報を統括して適切に影響評価すること・・・などなど、その全てが建設部門の建設環境や環境部門の自然環境保全・環境影響評価に該当します。そして、その1つ1つに専門性があって、高度な技術力が求められ、数多くの技術士が関与してきたんだろうと想像できます。
 橋梁開通は間もなくです。この区間が完成すると、徳島県の津田地区まで高速道路が繋がります。多くの人が待ち望んでいるでしょうし、私もその一人です。そして、この記事をみていただいた方、吉野川の河口はまさに今が渡り鳥の最盛期です。遙か遠いシベリアから越冬のためにやってきた本当に数多くの渡り鳥をダイナミックに観察することができますので、ぜひ一度見に行ってみて下さい。バードウォッチングのお勧めのタイミングは、大潮の干潮前後です。

(建設部門 建設環境)

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