クビアカツヤカミキリの防疫対応について

kubiakatsukamikiri  標記新聞記事に関して,徳島県立農林水産総合技術支援センター病害虫防除所様から下記情報を頂きました。

  新聞記事にも掲載されておりましたように、クビアカツヤカミキリに関する注意喚起と情報提供の依頼文書が環境省と農林水産省との連名で出されました。植物防疫法にもとづき徳島県には農林水産総合技術支援センター内(名西郡石井町)に病害虫防除所を設置し、病害虫の発生予察や防除指導業務を行っているところです。また国の植物防疫所では海外からの病害虫の侵入を防ぐための検疫業務等が実施されています。
  今回のクビアカツヤカミキリについては、海外ではサクラ、モモ等のバラ科を中心とした多くの樹木を加害することが知られています。我が国においては、平成24年に愛知県のサクラで初めて発生が確認され、平成25年には埼玉県のサクラで発生が確認されました。こうした中、平成27年には徳島県のほか群馬県、東京都、大阪府の公園や街路樹等のサクラでこの虫が発生したほか、特に徳島県ではモモ等の生産園地で被害が拡大しました。
  クビアカツヤカミキリは、平成27年3月に環境省及び農林水産省が作成した「我が国の生態系等に被害を及ぼすおそれのある外来種リスト」に総合対策外来種として記載されております。このため、国や各都道府県の県境部局、病害虫防除所、関係団体等の間で連携を強化し、こうした外来害虫に対する備えを行っているところです。
   このほか、情報共有のネットワークとして、(一社)日本植物防疫協会が運営するJPP-NETを活用しているほか、果樹病害虫防除の研究者間のネットワーク(果樹研究会)、農業・林業の病害虫防除研究者間のネットワーク(日本応用動物昆虫学会)を中心とした研究活動を実施し外来害虫の研究情報の共有を図っています。
  なお、防疫対応として現段階でできることについてご紹介します。
  ・ 成虫を見つけしだい、捕殺する。
  ・ フラスの発生した樹幹元等にネットを展張する。
  ・ フラスの発生する孔に接着剤を注入する。針金等を差し込み幼虫を刺殺する。
   ・ 被害の発生した作物等に登録のある農薬を用いて、他害虫と同時に防除する。
  また、現在、このような外来害虫に対応した農薬登録はありませんので、徳島県立農林水産総合技術支援センターでは効果の高い農薬の検索と農薬登録に向けたデータ収集を行っているところです。皆様方におかれましては、外来害虫クビアカツヤカミキリの撲滅に向け、情報提供、防除へのご協力をお願いいたします。

情報提供: 徳島県立農林水産総合技術支援センター病害虫防除所
        TEL 088ー674-1954

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