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私の合格体験記4

氏名匿名希望 合格年月日平成15年3月
部門総合技術監理部門、建設部門 選択科目河川、砂防及び海岸

面接試験については、それぞれ試験官により質問内容は変わると思いますが、
今後の参考になればと考え、恥ずかしながら掲載致します。

 

1 部門、日時等
 ・部門 : 建設部門-河川、砂防及び海岸
        総合技術監理部門-(建設)河川、砂防及び海岸
 ・日時 : 平成15年1月26日、11:15~12:00(予定)
 ・場所 : フォ-ラムエイト8F、東京都渋谷区JR渋谷駅から徒歩約10分

  

2 試験官、時間
 ・試験官3人
  L試験官 : コンサル風、60歳程度、質問が一番多く中心的役割
  C試験官 : コンサル風、55歳程度、技術的課題中心の質問
  R試験官 : 役人風、  45歳程度、技術者倫理中心の質問

 

 試験内容

(1)L試験官
 Q:あなたの業務経歴を言って下さい。
 A:28年間の経歴を業務経歴書にそって話す。10分間程度要した
   ので、試験官を見ながら話したが、経歴書を見ていてくれたので
   最後まで話した。

(2)C試験官  
 Q:経験業務はどれに当たりますか?
 A:平成4年6月に実施した三波川帯です。
 Q:ワーキンググループは最初から設置していたのか?
 A:いいえ、のり面崩壊後です。

(3)L試験官  
 Q:ワーキンググループは、大学、ゼネコン、コンサルで構成したと
   いうことだがゼネコンは最初から決まっていたのか?    
 A:決まってはいませんでしたが、造成工事の絡みがあり、工程調整
   上会議に加わってもらいました。
 Q:経験業務に書いた以外の管理について話してください。
 A:人的資源管理と情報管理について話す。→うなずく。

(4)C試験官  
 Q:業務は崩壊前から実施していたのか、また、当初の設計はどうだったのか?
 A:崩壊後当社に相談がありました。当初設計は地山を1:1.2の安定
   勾配で切り土してい ましたが、基準上は間違いではなかったと思
    います。道路改良のための法裾の掘削と梅雨時の長雨が重なった
    ことが崩壊の原因です。 →納得した様子。

(5)L試験官  
 Q:業務の失敗例について話して下さい。
 A:点紋帯崩壊のり面対策工における調査ボーリングことを話す。
     →うなずく。
 Q:成功例について話して下さい。
 A:点紋帯崩壊のり面対策工における人的資源管理について話す。 

(6)R試験官  
 Q:若手技術者の育成に心がけている点はありますか?
 A:インセンティブを与える方法として、業務報告会と成果の内容、
   社外の論文発表と勤務態度等で、また、モチベーションを高める
   方法として、学会や協会主催の講演会や講習会への参加、大学と
   の共同研究、技術士資格等について各人で年間目標を決め、受験
   するよう指導しております。
 Q:それ以外に何か心がけている点はありますか?
 A:人事、賞与等の考課には公平性、透明性、客観性を心がけています。

(7)L試験官、隣に向かって何かありますかと問いかける。
   C試験官  
 Q:経験論文は工夫されているようですが、これをその後どのように生
   かしていますか?
 A:現行の道路土工基準との整合性もあり、そのまま用いるのは困難
   ですが、例えば、現行の基準で概略値を決めておき、詳細設計と
   して、初期緊張力の設定、効果的なアンカー配置、断面で設計ア
   ンカー力を変える場合に有効に活用できます。→うなずく。

(8)C試験官  
 Q:のり面の緑化で何か工夫していますか?
 A:植生工が殆どですが。────────
 Q:例えば植林をそのまま残す傾向に現在ありますが、これについては
  どうですか。また、その場合の留意点について?
 A:植林の位置と大きさにもよりますが、工事の妨げとなる場合は、
   一次移転し、対策工完了後、戻すということはできます。植林を
   残すというのは適切だと考えます。

(9)C試験官  
 Q:土砂新法について知っていますか?
 A:平成13年4月施工されましたが ───── 土砂新法について話す。
 Q:それではソフト対策としてどうしていますか?
 A:市町村におけるハザードマップの整備、危険区域の立地規制とか
   等で生かしております。
 Q:そうではなくて、業務実施上です。
 A:住宅の移転、また、観測機器の設定、情報連絡網の整備等で生かし
  ています。→うなずく。

(10)C試験官  
 Q:あなたの分野で現在設計上の課題として何かありますか?
 A:すべり面の解析手法はJanbu法が精度がよいこと、臨界すべり探索
   法が合理的であること、設計アンカー力の求め方でも本論文の方
   法が合理的である ことを説明し、しかし現状では会検上認められ
   ないことから、単独では使用できないこと等を話す。

(11)L試験官  
 Q:あなたの業務での課題として何かありますか?
 A:発注者の予算上の制約が大変厳しく、その対応に苦慮しています。
 Q:具体的にどうしていますか?
 A:斜面長が長くて、動きが緩慢な地すべりの場合は、安全率を1.20
   とすると、工事費が大きくなるため、例えば安全率を現況から
    5%程度づつ上げていき、段階施工を行いながら、また、動態観
   測を行いながら最終的に安定となる工法を提案する等の方法があ
   ります。→うなずく。

(12)L試験官  
 Q:情報管理について、特に顧客の情報管理についてどうしていますか?
 A:情報の漏洩がないよう指導しております。
 Q:具体的にどうしていますか?
 A:FDの持ち出し禁止とかデータの持ち出し禁止とかです。
 Q:それ以外には?
 A:ゼネコンのアプローチに対し、厳に情報の漏れがないよう指導し
   ております。→うなずく。

(13)R試験官 
 Q:技術者倫理について、特に最近の不祥事についてどう思いますか?
 A:BSE事件、東海村原子力等の事故について ───────
   技術者倫理あるいは企業倫理の欠如により、社会的信頼性は失わ
   れ、企業を存続していくことは困難になります。技術者倫理とし
   ては、技術士法、技術者倫理要項を遵守するとともに、法律規則
   は当然のこと、社会的道徳を守る必要があります。
 Q:要するに、信用第一ということですね?
 A:はい、そうです。

(14)R試験官  
 Q:CPDをどう取り組んでいますか?
 A:学会や協会主催の講演会や研究発表会への参加、大学との共同研
   究、徳島県との共催での技術士一次試験、二次試験の支援講習会
   の開催等です。 →うなずく。

(15)L試験官  
 Q:学会はどこに入っていますか?
 A:土木学会、地盤工学会、地すべり学会です。

(16)L試験官  
 Q:あなたはMS(?)に発表していますか?
 A:(意味不明であったが、聞くのも知識がないと思われるため)い
   いえ、発表しておりませんが、機会があれば発表したいと考えます。
   →うなずく。

L試験官:これで終わります。ご苦労様でした。 

※言葉の語呂の相違はあると思いますが、要旨は上記のとおりです。

 

③ 面接を振り返り

 終わって部屋を出、2~3分歩いて時計をみると、11時55分であり、
実質は試験時間は35 分間であったと思います。
気付いた点は下記のとおりです。

① 口頭試験は人物試験と聞いていたが、こちらが話す場合はじっと
  凝視していると感じた。そのため、相手の目を見て、真剣に話した。

② ある面、常の自分をさらけ出させる試験であり、このため常日頃
  の技術的取り組みと業務上および関連する技術上の課題を持ってい
  ることが必要と感じた。

③ 自分を素直に出せば良いという気がした。自信が持てないこと、
  自分の身の丈以上のことは話すべきでないことを痛感した。

④ 100%答えるに越したことはないが、要するに60点以上であればよ
  く、また、こう考えることでリラックスして取り組めると思いま   す。

以上です。

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