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私の合格体験記3

氏名匿名希望 合格年月日2000年2月
部門建設 選択科目都市及び地方計画

 

私は、昨年7月に先輩と一緒に独立させていただきました。

日々「学び」の連続です。

技術士試験は合格することが目的ではなく、また「技術士になる」のが目的でもありません。

技術士となってから、本当の「学び」が始まるのだと思っています。

でも、同じ「学ぶ」のなら、楽しく「学ぶ」のに越したことはありません。

これから、技術士試験を受験される方も、是非、楽しい「学び」の「場」を見つけてください。

 

 

① 私流「技術士試験受験【前】の心得」

1.常に体力をしっかりつけておくこと

2.常に自分の仕事を楽しむこと

3.常に自分の五感を働かせること

4.常に周りの出来事(社会的出来事・自然環境的出来事等)に敏感になること

5.常にいろいろな好奇心を持つこと

6.常に「勉強」するのではなく「学ぶ」こと(強いて勉めるのではなく自ら学ぶこと)

7.常に「産みの苦しみ」を「快感」に変えること(できた時の喜びを思い描くこと)

8.常に自分の考えや思いを心に持つこと

9.常に自然体で物事を捉えること

10.常に周りの人や物に感謝すること

 

 

② 私流「技術士試験合格【後】の心得」

1.常に体力を持続させること

2.常に自分の仕事を楽しいものにすること

3.常に自分の五感+αを磨くこと

4.常に周りの出来事(社会的出来事・自然環境的出来事等)に関心をもつこと

5.常にいろいろな好奇心を周りに広めること

6.常に「学ぶ」ことを楽しみ、その楽しみを周りに広めること

7.常に「産みの苦しみ」の「快感」を周りに広めること

8.常に自分の考えや思いを持ち続けること

9.常に自然体で物事を捉え、対応していくこと

10.常に周りの人や物に感謝し、謙虚であること

 

今年4月から、学校教育では「総合的な学習」が始まります。この授業の最たる目的を

ご存知でしょうか?

「生きる力」を身につける・・・ことです。

これはまさに、今までの「勉強」を「学ぶ」に切り替えようとしているのです。

これからの技術士も「勉強」ではなく、「学んで」「生きる力」を身につけたいですね。

 

 

③ 面接試験

 

日時:平成11年12月5日(日)

午前10:35~10:52(約17分間)

場所:東京都渋谷区道玄坂 フォーラムエイト貸会議室8F

内容:以下の通り再現します。

(以下の報告書は、合格発表前に前勤務先へ提出したものです。

 ご参考までに添付いたします。)

 


控え室にて待機中に順次案内係より呼び出しがあり、案内に従って、試験会場へ入室


受験者  :C429番○○○○です。よろしくお願いいたします。

試験官A氏:着席して下さい。
受験者  :失礼します。(着席)

試験官B氏:あなたの専門とする部門は造園ですか。
受験者  :はい、造園を専門部門とさせていただきたいと考えております。

試験官B氏:あなたは学生時代から公園関係の勉強をしていたのですか。
受験者  :いいえ、私の出身は国文科です。

試験官A氏:それでは、どうしてこの道に進まれたのですか。
受験者  :はい、現在の職場にご縁をいただき、上司に恵まれたことにより、本格的
       に仕事をさせていただくことになりました。

試験官A氏:経験もなく、仕事をはじめたのですか。
受験者  :現在の職場に就職する以前に、測量会社に勤めておりましたが、測量だ
       けではなく、計画の仕事に携わりたいと思っておりましたところ、現在の職
       場にご縁をいただき、上司の指導の下で仕事をさせていただくことになりま
       した。

試験官B氏:測量会社というと、測量士の資格を持っているのですか。
受験者  :いいえ、持っておりません。

試験官B氏:外で、実際に機械をのぞいたり、ポールを持ったりしていたのですか。
受験者  :いいえ、もっぱら、内業の方です。

試験官B氏:技術士試験以外に、何か資格は持っているのですか。
受験者  :はい、1級造園施工管理技士の資格を持っております。

試験官B氏:土木施工管理技士は持っていないのですか。
受験者  :はい、持っておりません。

試験官A氏:国文科を出られて、景観設計に何か役立ったことはありますか。
受験者  :はい、風景という捉え方をすると、文学と景観構造とは関連性があると思い
       ます。
       可視・不可視、距離、俯角、奥行等の景観構造的な要素は、国文学の中に
       も生きているように考えます。

試験官A氏:そのほかにあなたの仕事に役に立っているもの、技術士として役立つもの
       はありますか。
受験者  :7年ほど前に、徳島で、徳島景観研究会という研究会の発足があり、発足
       当時から、参加させていただき、勉強させていただいております。

試験官A氏:それは、どのような研究会ですか。
受験者  :私共の上司が提唱し、徳島大学の先生を中心とした異種業者のグループ
       で、講師の先生をお招きして、ご講演いただいたりして、勉強をさせていた
       だいております。ワークショップ手法についてもこの会で学びました。
       この会に参加させていただいたことが、私の技術士試験への挑戦の原点
       になっていると思います。

試験官A氏:研究会では見学を行ったりはしないのですか。
受験者  :徳島県内、外と見学会もいたしております。また、阪神淡路大震災の折に
       は、建物の被災調査といった活動にも研究会としてお手伝いさせていただ
       きました。

試験官B氏:東京の景観を見て、どのように思いますか。
受験者  :はい、昨日から参らせていただいておりますが、やはり、少し緑が少ないよ
       うに感じました。

試験官B氏:それでは、どのようにすれば、良くなると思いますか。
受験者  :はい、街区公園より小さめの緑地帯を街角に分散させて点在させると潤い
       がでてくるように思いますし、CO2の固定にも役立つのではないかと思い
       ます。またエコビルと言われるような屋上緑化も一つの方法ではないかと
       思います。

試験官B氏:屋上緑化では、直接のCO2の固定にはつながらないのではないですか。
       それに、葉っぱが落ちるとCO2が増えることもあると思うのですが、
       葉っぱのリサイクルについて考えはありますか?
受験者  :(突然で戸惑う)木材のリサイクルでは、木製擁壁などに間伐材を使用する
       方法がありますが、・・・・すいません。
       葉っぱについては、これから勉強いたします。
       (素直に自分の力量のなさを謝罪した。)

試験官A氏:あなたは、キャンパスの計画にも携わっているようですが、理論ではなく、
       実務としての提案で、何かあなたの考えが採用されたこと、あるいは心に
       残っていることはありますか。

受験者  :はい、鳴門教育大学での広場設計において、キャンパスの直線的な景観
       軸に対して、非常に美しい周辺の山の尾根線が描く曲線の景観軸を対比
       させるとともに、尾根線を協調できるような、曲線の小山を提案し、上司に
       相談しましたところ、「これで行きましょう」と採用していただきました。

試験官A氏:その提案は、即時に大学側にも受け入れられたのですか。
受験者  :はい、学園祭に利用する広場として、また、小山が、周辺の住宅地との防
       音壁の役目としても、大学の施設課、美術の先生などから、評価していた
       だき、実現いたしました。今でも学園祭で賑わっている広場であると聞き及
       んでおります。

試験官A氏:あなたの経歴の中に、変わったところで、黒沢湿原の調査計画というのが
       ありますが、これは、どのようなことを行ったのですか。
受験者  :はい、黒沢湿原は、貧栄養湿原で、人の手が加わることで保全されるとい
       う湿原ですので、周辺住民を巻き込むような仕掛け作りのために、水や
       植生の調査を行うことや検討会の開催、また、教育委員会を巻き込み、
       生涯学習の場としての提案などをコンサルタントとして提案し、町が行った
       事業です。そのため、当初1年のはずの計画期間が1年8ヶ月に及ぶもの
       となりました。

試験官B氏:あなたが直接提案したのですか。
受験者  :いいえ、直接提案は、上司がいたしました。

試験官A氏:この事業は、町が独自に行ったのですか。
受験者  :はい、県や国の補助を受けて、町が独自に行った事業です。

試験官A氏:(試験官B氏に向かって)何かお聞きしたいことはありますか。
試験官B氏:いいえ、別にありません。
試験官A氏:それでは、これで終わります。
受験者  :(起立して)ありがとうございました。どうぞよろしくお願いいたします。

出口で、再度お辞儀をして、「失礼します。」と、退席しました。

<受験後の感想>

ほとんど予想外の質問であったため、戸惑いがありましたが、質問されたことには、自分なりに正直に答えました。ただ、予想していた質問が黒沢湿原と鳴門教育大学の二つのみで、その他の用意していた答えが言えなかったことに、不安が残ります。予想問題を聞かれなかったことが良かったのか、悪かったのか、それが自分では判断できません。しかし、どのような結果となっても、ここまで受験できたことに感謝し、真摯に結果を受け止めたいと思います。

 

謝辞:口頭試験受験に当たって、お励まし下さった皆様に心より感謝申し上げます。

 

 

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