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ファージ(正式名:バクテリオファージ)は、細菌に感染して複製するウイルスで、タンパク質の外殻と遺伝情報を担う核酸 (主に二本鎖DNA) で構成されています。ファージが感染した細菌は細胞膜を破壊され(溶菌)、細菌が食べ尽くされるかのように死滅するため、「菌(バクテリア)を食べるもの」という意味を持つウイルスです。
 ファージの研究は遺伝学や遺伝子工学の発展にも大きく寄与してきました。ファージディスプレイという遺伝子工学の技術を用いて、天然には存在しない有用なペプチドやタンパク質を創り出すことも行われています。T4ファージが大腸菌に感染する際に作るリガーゼという酵素は、遺伝子の試験を行う上で、重要な試薬になっています。またアメリカでは、食品医薬品局(FDA)が食品添加物としてファージの利用を一部認可しています。
 近年、抗生物質耐性菌の出現が問題視されるようになり、菌を殺すファージは、抗菌剤としてもその利用が改めて注目されています。ヒトだけでなく、動植物をバクテリアから守るための抗菌剤としても注目され、これから益々産業利用も目指してファージの開発研究が進んでいきます。

(生物工学部門 生物環境工学)

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